青森県下北半島の最北端に位置する青森県尻屋崎と世界三大漁場の一つ北西太平洋漁場の一角をなす岩手県釜石市で漁獲されます。
尻屋崎産のあわびは、津軽海峡と太平洋の海流がぶつかりあう、厳しい海域環境で育ち、 釜石産のあわびは、潮の流れが複雑に変化するリアス式海岸で育ちます。
厳しい海域環境で強く育ったあわびの身は、乾燥することによってより深いうま味が凝縮されしっかりとした歯ごたえが生まれます。
尻屋漁港組合(青森県下北郡東通村)では、蝦夷あわびの他に、ウニ、真イカ、昆布、サケ、タコなどを漁獲しています。
72名の組合員が所属し、年に2度の蝦夷あわびの漁獲時期には、家族総出で、あわび漁に精を出します。 子供や女性は浜で岩間に生息するあわびを獲り、男性は船を出して海に潜り専用の鎌を使ってあわびを獲ります。
尻屋岬には、イギリス人によって起工された、東北で最も古い灯台「尻屋崎灯台」があり、灯台周辺の広々とした草原大地では、寒立馬(かんだちめ)という馬が放牧されています。 自由に牧草を食べる寒立馬と白い灯台が尻屋の象徴です。
約708kmに及ぶ岩手県沿岸は、リアス式海岸が続く三陸漁場として知られています。
寒流の親潮、暖流の黒潮及び津軽暖流の三海流が交錯し、複雑な潮境の中でミネラル分豊富な海草類の生育が良く、高品質な蝦夷あわびの生育に適した環境です。
毎年20以上の漁港からの入札方式により、3箇所の漁港が選ばれ、特に良質な粒ぞろいのあわびのみが乾鮑(かんぽう)として、釜石市にある(株)岩手缶詰の工場で加工されます。
中国向けに年間100トン〜400トンが輸出され、「吉浜あわび」として中国で最も珍重されています。漁獲時期は、年に1度か2度。各漁港から2人乗りの船を出し、船の上から水深4m先の岩場に生息しているあわびをもりで漁獲していきます。
(写真提供:Wikipedia)